金属アレルギーの症状とのジュエリーについて

金属アレルギーとは

 

金属アレルギーは、汗や唾液などによって、金属から溶出した「金属イオン」が皮膚のたんぱく質と結合すると、それを体が「異物」とみなし、拒絶反応を起こすことによって起こります。

 

単純に「金属に触れただけ」でアレルギー反応を起こすことはほとんどありません。

 

特に汗をかきやすい夏は、皮膚表面で金属がイオン化しやすくなるため、かゆみや痛みなどの症状を訴える人が多くなります。

こうした汗による「かぶれ」のほかに、歯科治療で用いられる金属や、金属元素を含む食物の影響などで、体内の金属イオンバランスが崩れて起こる「全身型金属アレルギー」もあります。

こちらは金属製品が直接触れていなくても皮膚炎が起こるため、内因性アトピー性皮膚炎とも理解されるようになってきています。

 

 

体に必要な金属でもアレルギーを引き起こす場合も

 

人間が摂取することで得る、生命維持に欠かせない元素を必須元素といいます。

実はこの中には、多くの金属元素が含まれます。

ほんのわずかだけ必要な微量元素でも、体内代謝などのバランスがくずれることで、特有の症状が現れることがあります。

 

金属アレルギーを起こしやすい金属は、ニッケル、コバルト、クロム、マンガン、亜鉛、銅などですが、これらの金属も人間の生命維持に必要な微量元素です。

例えばニッケルは、加工しやすくてさびにくく、しかも安価なので、様々な身の回り品に使われており、ピアスやネックレスといったアクセサリー、時計バンドやメガネのフレーム等に含まれています。

こうした金属が肌に長時間接触していると、金属アレルギーを起こしやすくなります。
特にピアスは、金属が直接皮下組織と接触するため、特に注意が必要です。

 

 

金属アレルギーの検査方法

 

金属アレルギーを起こす原因物質を検査する方法として、パッチテストが一般的です。
これは、アレルゲンと考えられるいくつかの金属試薬を含んだ絆創膏を上背部、もしくは上腕外側へ2日間貼ります。その後これを取り除き、皮膚の変化を調べます。

アレルギーの原因を特定するために、貼った日から48時間後、72時間後、1週間後、10日後にそれぞれ判定を行います。

このほか、血液から取り出したリンパ球に、アレルゲンである口腔内金属を取り込ませることによって調べるリンパ球刺激試験や口腔内の電流を測定して金属溶出の傾向を調べる方法もあります。

 

 

金属アレルギーを防ぐには

 

アレルゲンの正体をつきとめ、原因となっている金属を身の回りから遠ざけることが、金属アレルギーを防ぐ第一歩です。病院でパッチテストなどの検査を受け、自身のアレルギーの原因となる金属が何かを知ることが必要です。

原因となる金属が特定されたら、「身に着けない」ことで接触によるアレルギーを回避できます。

 

また、「食事に気を付ける」ことで全身型アレルギーの回避ができます。

たとえ金属アレルギーがないと判明しても、金属を多く含む食品を理解して過剰摂取は避け偏った食事をしないようにします。よい睡眠を心がけ自己免疫機能維持に努めるといった心がけも大事です。

 

皮膚や口、両者の経路から金属に接触する期間が長いことで、気がつかないうちに金属アレルギーになってしまうこともあります。

汗をかいたときはこまめにふき取るようにしましょう。

また、掻き傷などに繁殖する細菌感染がアレルギー反応を進行させるので、皮膚のバリア機能を損ねないように洗浄することも大切なポイントです。

 

もしもアクセサリーをつけていた部分が痒いな、と感じたら着用をやめて、医師に相談しましょう。