鉛筆の芯とダイヤモンド
2024/06/03
元素記号Cの炭素。
炭素の代表的な同素体はダイヤモンド・黒鉛(グラファイト)・フラーレンですが、それぞれ炭素の結合の仕方が異なります。
鉛筆の芯は主に石墨が原料ですが、人工的に合成されたり、精製された高純度のものは「黒鉛」と呼ばれ、天然のものは「石墨」と呼ばれます。
ただし、この使い分けは日本だけで、英語ではどちらも「Graphite」と呼ばれます。
石墨は層状の構造をもち、層間の結合が弱いため、薄くはがれる特性があります。
石墨の硬度は1~2と最も柔らかい鉱物のひとつですが、対照的に、ダイヤモンドは三次元的に原子が強固に結合しているため、モース硬度10と傷つきにくい鉱物です。
「黒鉛」という名前ですが、炭素のみで構成され鉛は含まれていません。昔、元素を分析できなかった時代には、石墨に鉛が含まれていると考えられ、ラテン語で「鉛」を意味する「plumbum」と呼ばれていました。
そのため、「黒鉛」という名前がつけられ、現在でもそのまま使われ続けています。
Graphiteは、ギリシャ語で「書く」を意味する「graphein」に由来します。これは、文法の「グラマー」や「グラフ」などと同系統の言葉です。
さて、鉛筆の芯はどうやって作るかというと、粉末にした石墨(黒鉛)と粘土を混ぜて作ります。
この比率で硬さが調節され、粘土が多いほど硬くなります。
層状の原子構造が滑りやすさを生み出し、鉛筆の書き心地の秘密となっています。
ちなみに、色鉛筆は粘土ではなく、染料、滑石、蝋などを混ぜて作ります。
石墨を筆記用具として広く使うようになったのは、16世紀のイギリスで良質な石墨鉱床が発見されたことがきっかけです。
当時は石墨を細長く切り、糸を巻いたり板ではさんだりして使っていました。しかし、この便利な筆記用具が普及すると、良質な石墨が貴重品となり、値段も上がりました。
さらに、ナポレオン戦争中に石墨の供給が途絶えたフランスでは、画家で化学者でもあったジャック・ニコラス・コンテが、1975年に石墨の粉末と粘土を混ぜて焼き固める現在の鉛筆製造法を発明しました。
この方法は、石墨の小さな欠片を無駄なく利用でき、硬さも自由に調整できる画期的なものでした。また、コンテが作った鉛筆に由来して、絵を描くときに使う「コンテ」と呼ばれる画材が生まれました。
小さな炭素原子ひとつでも物語が詰まっていますね。
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